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住宅ローンにおける途上管理の基本的な考え方

一般に、従来の金融機関のローン推進手法を考えると、案件を獲得するまでは多大なパワーをかけている一方で、契約後は、延滞等がない限りほとんどタッチしないことが多くなります。アパートローン推進に関しても同様で、アパートローン実行後の管理はあまり行われていないのが実態ではないでしょうか。本来、アパートローンのリスク管理を考える場合にいちばん重要なことは、融資を審査する際に検証している収支計画どおりに運用されているか否かを確認することです。

収支計画の収入を考える場合、入居率はどれくらいになるのか、入居者当りの賃料はどれくらいになるのかが基本となり、物件の維持費用としてどれくらいのコストがかかるのか、結果として純収益はどれくらいになるか、定期的に確認する必要があります。不動産収入がある純個人の場合、不動産所得に対する確定申告を行う必要がありますが、申告書のなかには、入居状況と収入内訳、経費内訳が記載されており、年に一度は確認できる情報です。

本来であれば、営業担当者が1年ごとに借主を訪問し申告書の内容を確認すると同時に、対象となっている不動産物件の入居状況を把握しておく必要があります。つまり、収入の糧である入居者の動態管理を徹底することが必要なのです。また、普通預金口座に家賃が振り込まれてくる場合、その変化をみる必要があります。口座動向の変化から、デフォルトする確率が高いかどうかを判断することができます。入居者の家賃振込指定口座への入金が1年前と比較して減少している場合、収支計画との乖離状況等も考慮しなければなりません。

融資金の約定返済が厳しいと判断される場合は、最新の状況を確認し、稼働率の悪化が続き減収となる要素がある場合は、入居者あっせんや不動産仲介業者の紹介により入居者を探し出す等、収支改善の方策を金融機関側から積極的にアプローチすることも検討していく必要があります。また、金融円滑化法による利用者救済措置では、アパートローン利用者の方々への対応も考える必要があります。今後の入居率状況や賃料相場がどのように変化するか、変化への対応策を立案することができるか否か、収支条件を見直しシミュレーションすることで返済の可能性を見極める対応が必要となります。